2人目育児で悩む「上の子のケア」と赤ちゃん返りの乗り越え方

上の子優先記事のアイキャッチ

「下の子が生まれてから、上の子がなんだかワガママになった気がする」

「『上の子優先で』と頭では分かっているけれど、現実には難しくて自己嫌悪に陥ってしまう」

愛しい我が子が増える喜びの一方で、慣れないきょうだい育児に奮闘し、心身ともに余裕がなくなってしまうのは決して珍しいことではありません。

とくに「上の子のケア」については、育児書やインターネットで調べれば調べるほど「ちゃんと愛情を注いであげなきゃ」とプレッシャーに感じてしまう方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「赤ちゃん返り」に隠された本当の気持ちや、今日からできる実践的な心のケア方法について詳しく解説します。決して「完璧なお母さん・お父さん」になる必要はありません。肩の力を抜き、「こんな考え方もあるんだな」とヒントを見つけるつもりで、ぜひ最後まで読んでみてください。

1. そもそも赤ちゃん返りってあるの?見逃しがちな意外なサイン

「赤ちゃん返り」という言葉はよく耳にしますが、実際にはどのような形で現れるのでしょうか。

見逃さないで!意外な赤ちゃん返りのサイン

赤ちゃん返りと聞くと「おっぱいを欲しがる」「抱っこをせがむ」といった行動を想像しがちですが、実は以下のような意外なサインもあります。

  • 赤ちゃん言葉になる
  • 急におねしょをしだす
  • 赤ちゃんを叩いたり、つねったりして意地悪をする
  • ささいなことですぐに怒ったり、激しく泣いたりする
  • 表情が乏しくなり、喜怒哀楽が薄くなる
  • 行動が幼くなり、親にご飯を食べさせてもらいたがる

これらは大きく分けて、「暴力やわがままで激しくアピールしてくる子」と、「自分の感情をぐっと抑え込んで元気がなくなってしまう子」の2パターンに分類されます。

一見すると問題行動がなくても、なんとなく元気がなかったり、今までより感情表現が乏しかったりする場合は要注意です。

感情を抑え込んで元気のない子供の画像

2. 「上の子優先」って言うけれど…実際はかなり難しい!

上の子のケアについて調べると、必ずと言っていいほど目にするのが「上の子優先で接しましょう」という言葉です。

「赤ちゃんは安全さえ確保されていれば少しくらい泣かせておいても大丈夫だから、まずは上の子の欲求を満たしてあげて」というニュアンスなのですが、実際にきょうだい育児の渦中にいると「そんなの無理!できたら悩んでないよ!」と感じるのが本音ではないでしょうか。

慣れない下の子のお世話で睡眠不足のなか、上の子の「ママー!」「パパー!」という要求に常に応え続けるのは至難の業です。余裕がなくてついイライラして怒ってしまい、寝顔を見ながら「上の子に我慢させて、かわいそうな思いをさせているかも……」と自分を責めて涙を流すお母さんは本当にたくさんいらっしゃいます。

「上の子優先」よりも大切なこと

ここで一番お伝えしたいのは、上の子のケアにおいて最も重要なのは「お母さん(お父さん)自身が自分を責めないこと」だということです。

「上の子に何かしてあげなきゃ!」と焦る前に、まずはご自身の心と体を整えることを優先してください。「かわいそうな思いをさせているかもしれない」と悩むこと自体が、すでに上の子を深く愛し、ケアしようとしている証拠なのです。

昔から「子どもは親の背中を見て育つ」と言われます。これは「完璧な姿を見せなさい」という意味ではありません。「特別なことをしなくても、お母さんが一生懸命頑張っている姿を、子どもはちゃんと見ているよ」という意味だと受け取ってみてください。

つい怒ってしまった後に「さっきはごめんね、大好きだよ」とハグをして謝る姿も、子どもはしっかりと見て、愛情を感じ取って育ちますから安心してください。

3. 赤ちゃん返りをする上の子の心を満たす5つのステップ

赤ちゃん返りをしているとき、子どもの心の奥底にあるのは次のような不安です。

「下の子が生まれても、ママの中でのわたしは今までと変わらず大事?」

この切実な確認作業に対して、親がどのように気持ちを満たしてあげるかが鍵となります。今日からできる5つの具体的な対応方法をご紹介します。

① まずは子どもの「気持ち」を受けとめる

子どもは決して親を困らせたくてワガママを言っているわけではありません。行動の裏にある「ママ・パパが好きだからこっちを見て!」という動機を読み取ることが大切です。

もし、下の子を抱っこしているときに上の子が抱っこをせがんできたら、「今は無理!」と突き放すのではなく、気持ちを代弁してあげましょう。

「うんうん、お兄ちゃんも抱っこしてほしいよね!〇〇ちゃんが寝たら、特別にいっぱい抱っこしてあげるから、ちょっとだけ待っててね」

このように見通しを立てて共感するだけで、「自分の気持ちを分かってくれた」と安心感を得ることができます。

② 意識的にスキンシップの時間を増やす

スキンシップする母子の画像

子どもが一番安心するのは、大好きな親と肌を寄せ合うことです。必然的に赤ちゃんの抱っこが多くなりますが、それに負けないくらい上の子にも触れてあげましょう。

10秒ぐらいかけてゆっくりハグをしてあげたり、膝に乗せて一緒にテレビを見たり、膝の間に入れて絵本を読んだりするだけでも効果絶大です。お風呂に一緒に入る、髪をとかす、保湿クリームを塗るといった日常の動作の中で、意識的に触れ合う時間を持つことで心は安定していきます。

③ 小さかった頃のアルバムを一緒に見て成長を喜ぶ

「自分にも赤ちゃんだった時代があり、その時から変わらず愛されている」と実感させるのに最適なのが、昔の写真や動画を見ることです。

「この時のお顔、とっても可愛いね」「あなたが生まれてきてくれて、本当に嬉しかったんだよ」と伝えながら一緒に見ることで、「今の自分も愛されている」という確信に繋がります。また、「一人でお着替えできたね!さすが!」と、今の成長を具体的に言葉にして認めてあげることも自己肯定感を高めます。

アルバムを見る親子の画像

④ 下の子のお世話を一緒にして「ありがとう」を伝える

下の子のお世話から上の子を遠ざけるのではなく、あえて「小さなお母さん・お父さん」として頼ってみるのも手です。

「おむつを持ってきてくれる?」「トントンしてあげていいかな?」と声をかけ、手伝ってくれたら「ありがとう、すごく助かったよ!」と目を見て笑顔で伝えてみてください。親の役に立てた喜びや、「お兄ちゃん・お姉ちゃんになれた嬉しさ」を味わうことができ、赤ちゃんをライバルではなく大切な家族として受け入れやすくなります。

⑤ 誰かに頼って「2人きりの時間」を作る

上の子の「ママ・パパを独占したい!」という願いを叶えるために、ほんの少しの時間でも良いので「2人きりで過ごす時間」を作ってみましょう。

下の子をパートナーや実家に預けて、上の子と手を繋いで近所のスーパーに行ったり、公園を散歩したりするだけでも十分です。少し大きなお子さんであれば、2人でこっそり甘いものを食べに行くなど「非日常」を演出するのも良いでしょう。普段は言わないような幼稚園や学校での出来事、悩みをポロリと話してくれることもあります。

4. 要注意!幼少期に甘えられなかったことが思春期に影響する?

「もうお兄ちゃんでしょ!」「お姉ちゃんなんだから我慢して!」

忙しさのあまり、つい口にしてしまいがちな言葉ですが、少し注意が必要です。

子どもが小さいうちに「私を見て!」「僕のところに来て!」という甘えたい願望を我慢させられ、十分に受け止めてもらえなかった場合、その未消化の感情が心の中に蓄積されてしまうことがあります。そして、思春期以降になってから反抗や問題行動として現れるケースがあると言われています。

子どもの「甘えたい」というサインは、親が思っている以上に強く、成長に大きな影響を与えます。もし「あの時、もっとかまってあげればよかった」と後悔している方がいても、決して遅くはありません。

何歳からでも大丈夫です。「あなたがいてくれてよかった」「いつもありがとう」「大好きだよ」という言葉を、今からでもたっぷりと伝えてあげてください。愛情を注ぐのに「遅すぎる」ということは絶対にありません。

5. 一人で抱え込まない!頼れるものには全部頼る勇気を

家族でお出かけしようとしている画像

上の子のケアを、お母さんやお父さんだけで完璧にこなそうとする必要はありません。

一人で解決しようとすることが一番危険です。心身の余裕がなくなれば、上の子に優しく接することなどできるはずがありません。

上の子との2人きりの時間を作るためにも、下の子を安全に預けられる場所を積極的に確保しましょう。パートナーや実家の両親はもちろん、お住まいの自治体の一時保育サービス、ファミリーサポート、民間のベビーシッターなど、頼れるものは総動員してください。罪悪感を抱く必要はありません。

また、「頼る」というのは子どもを預けることだけではありません。

支援センターの職員さん、保育園の先生、保健師さんなどに「最近、上の子にイライラしちゃって……」と悩みを相談すること、弱音を吐くことも立派な「頼る行動」です。今一生懸命に頑張っていることを誰かに話し、「よくやってるね」と認めてもらうことで、親自身の心が満たされ、結果的に上の子への温かいケアへと繋がっていくのです。

まとめ:できることを、できるペースで

きょうだいという関係は、家庭内に生まれた「小さな社会」です。最初からうまくいかなくて当たり前ですし、ぶつかり合いながら成長していくものです。

上の子が手伝いをしてくれたときや、下の子に対して複雑な感情を見せてくれたときは、まずは「ありがとう」と伝え、「そのままでいいんだよ」と気持ちを受け止めてあげてください。それだけでも、子どもの心は十分に満たされます。

何か特別なケアをしなければと焦る必要はありません。まずはご自身の心と体を大切にし、いっぱいいっぱいにならないように、できることをできるペースで取り組んでいきましょう。

あなたが笑顔で「大好きだよ」と抱きしめてあげること、それこそが、上の子にとって何よりも安心できる最高のお薬になるはずです。

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【参考・関連リンク集】

  • たまひよ(ベネッセコーポレーション)2人目育児のスタートや、上の子の赤ちゃん返りに関する専門家・保育士の具体的なアドバイスが豊富に掲載されています。https://st.benesse.ne.jp/
  • ムーニー 妊娠・育児ナビ(ユニ・チャーム)赤ちゃん返りの具体的なサインや、上の子の心を満たすスキンシップの方法、年齢別の接し方について詳しく解説されています。https://jp.moony.com/ja/tips/
  • HugKum(小学館)きょうだい育児のリアルな悩みや、上の子の心のケアに関する先輩ママ・パパの実体験、専門家の意見がまとめられています。https://hugkum.sho.jp/
  • NHK すくすく子育て「上の子優先」の難しさや、きょうだい関係の悩みに対して、専門家が寄り添いながら答えるQ&Aが参考になります。https://www.nhk.or.jp/sukusuku/
  • こども家庭庁(支援情報)記事内で紹介した「ファミリーサポートセンター」や「一時預かり事業」など、お住まいの地域で頼れる公的な育児支援サービスについて確認できます。https://www.cfa.go.jp/