はじめに
「妊活中の食事って、何を意識すればいいの?」
そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。妊娠に向けて体を整えるためには、生活習慣や運動と同じくらい毎日の食事がとても大切です。
しかし、仕事や家事で忙しくて「つい食事が疎かになってしまう…」という声もよく耳にします。そこで本記事では、管理栄養士監修のもと、妊活中に摂りたい栄養素や食材、簡単に作れるおすすめレシピをご紹介します。
パートナーと一緒に美味しく食べながら、赤ちゃんを迎える準備を進めていきましょう。

妊活中に大切な栄養素は?

妊活中の食事は、単にカロリーを摂るだけでなく、栄養の「質」が重要です。基本は5大栄養素(糖質・タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラル)をバランス良く摂ること。その中でも特に注目したい栄養素を見ていきましょう。
葉酸

- 別名「造血のビタミン」と呼ばれるビタミンB群の一種。
- 赤ちゃんの神経管閉鎖障害のリスク低減に効果があるとされ、妊娠前からの摂取が推奨されています。
- 水溶性ビタミンのため体内に貯められず、毎日の摂取が必要。
枝豆(ゆで):260µg / 100g
ライチ:100µg / 100g
鶏レバー:1300µg / 100g
ほうれん草、春菊、納豆、いちご など
タンパク質

- 筋肉や臓器、皮膚、髪、爪など体をつくる材料。
- 赤ちゃんの体づくりにも欠かせない。
鶏胸肉皮付き:19.5g / 100g
銀鮭:19.6g / 100g
さば:20.6g / 100g
納豆(1パック50g):8.3g
卵(1個50g):6.2g
鉄分

- 赤血球をつくり、酸素を全身に運ぶ働きを持つ。
- 妊娠中は特に不足しやすく、妊活中から積極的に摂りたい。
- ヘム鉄(肉・魚)と非ヘム鉄(野菜・豆類)がある。
豚レバー(生50g):6.5mg
鶏レバー(生50g):4.5mg
カツオ(生50g):1.0mg
調整豆乳(200g):2.4mg
納豆(50g):1.7mg
亜鉛

- タンパク質の合成や新陳代謝、性機能をサポートするミネラル。
- 男性では精子の質や前立腺の健康に関わるため、パートナーと一緒に摂取したい栄養素。
- 赤ちゃんの中枢神経の発達にも関わるとされています。
牡蠣
豚レバー
牛肉
ナッツ類
カルシウム

- 赤ちゃんの骨や歯の形成に必要。
- 母体の骨量低下を防ぐためにも妊活中からしっかり補給を。
牛乳・チーズ
しらす
ひじき
ごま
ビタミンE

- 抗酸化作用が強く、卵巣や子宮の老化を防ぐ働きが期待される。
- ホルモンバランスを整える効果もあり、男女ともにおすすめ。
ナッツ類
かぼちゃ
うなぎ
モロヘイヤ
妊活中の女性に特に必要な栄養素は?

女性にとって特に重要なのは葉酸と鉄分。
妊娠初期に赤ちゃんの神経管が作られるため、妊娠がわかる前から葉酸を摂っておくことが大切です。また、妊娠に備えて貧血対策として鉄分も欠かせません。
妊活中の男性に必要な栄養素は?

男性の場合は亜鉛を中心に摂取することがポイントです。精子の生成や活性に深く関わるため、夫婦で一緒に意識して食事に取り入れましょう。
妊活中におすすめのレシピ
サバとひじきの和風ハンバーグ
ポイント: サバ(DHA・EPA・タンパク質)+ひじき(鉄分・カルシウム)+豆腐(大豆タンパク)
材料(2人分)
サバ水煮缶 … 1缶
木綿豆腐 … 150g
乾燥ひじき … 大さじ1(水で戻す)
玉ねぎ … 1/4個(みじん切り)
片栗粉 … 大さじ1
醤油 … 小さじ1
大葉 … 4枚
作り方
- サバ缶の身をほぐし、豆腐の水を切って混ぜる。
- 玉ねぎ・ひじき・片栗粉・醤油を加えてタネを作る。
- 小判型に丸めてフライパンで両面焼く。
- 器に盛って大葉を添える。
👉パートナーも食べやすい味。鉄分も摂れる一品。
ほうれん草と納豆のオムレツ
ポイント: 葉酸(ほうれん草・納豆)+タンパク質(卵)+鉄分
材料(2人分)
卵 … 3個
納豆 … 1パック
ほうれん草 … 1/2束
玉ねぎ … 1/4個
オリーブオイル … 小さじ1
醤油 … 少々
作り方
- ほうれん草をさっと茹でて、水気を切りざく切りにする。
- 玉ねぎをみじん切りにしてオリーブオイルで炒める。
- 卵を溶いて納豆・ほうれん草・玉ねぎを混ぜる。
- フライパンで両面を焼いて仕上げる。
👉朝ごはんやお弁当にもおすすめ。
小松菜としらすの豆乳スープ
ポイント: 鉄分(小松菜)+カルシウム(しらす・豆乳)+ビタミンE(ごま)
材料(2人分)
小松菜 … 1/2束
しらす … 大さじ2
調整豆乳 … 300ml
味噌 … 大さじ1
白すりごま … 大さじ1
作り方
- 小松菜を2〜3cmに切る。
- 鍋に豆乳を入れて弱火で温め、味噌を溶かす。
- 小松菜としらすを加えて煮る。
- 仕上げに白ごまを散らして完成。
👉 優しい味で夜食にも◎
いちごとナッツのヨーグルトパフェ
ポイント: 葉酸(いちご)+カルシウム(ヨーグルト)+ビタミンE(ナッツ)
材料(2人分)
プレーンヨーグルト … 200g
いちご … 6粒
ミックスナッツ … 大さじ2
はちみつ … 小さじ2
作り方
- いちごを食べやすくカット。
- 器にヨーグルトを盛り、いちごをのせる。
- ナッツを砕いてトッピングし、はちみつをかける。
👉 甘いものが欲しいときの栄養おやつ。
サプリメントも活用しよう
忙しい日々の中で、食事だけで必要な栄養素を完璧に摂るのはなかなか難しいもの。特に葉酸や亜鉛は不足しやすいため、サプリメントを上手に取り入れるのがおすすめです。
厚生労働省も、妊活・妊娠初期の女性には1日400µgの葉酸摂取を推奨しています。食事とサプリを組み合わせて効率よく摂取しましょう。
管理栄養士によるサポート
妊活中の食事に不安がある方は、専門家のサポートを受けるのも安心です。管理栄養士が一人ひとりの生活や体調に合わせて、無理なく続けられる食事方法をアドバイスしてくれます。
まとめ

- 妊活中は「葉酸・鉄分・亜鉛・タンパク質」を意識して摂ることが大切。
- 女性は特に葉酸と鉄分、男性は亜鉛を積極的に。
- 忙しい時はサプリメントで補うのも◎。
- レシピを工夫して、夫婦で美味しく楽しく妊活ごはんを続けよう。
赤ちゃんを迎える体づくりは、毎日の小さな積み重ねから。栄養たっぷりの食事で、心と体を整えていきましょう。
参考文献
厚生労働省「妊娠・出産・育児」ページ
妊活中や妊娠初期に必要な栄養素(葉酸、鉄分、亜鉛など)や推奨摂取量について、公式にまとめられています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000133457.html
日本産婦人科学会「妊娠前からの葉酸摂取の重要性」
妊活中の葉酸摂取の重要性と推奨摂取量について、専門的な視点から解説しています。
https://www.jsog.or.jp/modules/publication/index.php?content_id=4
管理栄養士監修の栄養情報サイト「eヘルスネット」
妊活中に必要な栄養素や食材、レシピ、サプリメントの活用方法など、管理栄養士の監修のもとで詳しく解説されています。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/
日本栄養士会「栄養士のための栄養情報サイト」
妊活や妊娠中の栄養管理に関する情報や、栄養士によるアドバイスが掲載されています。
妊活サポート専門サイト「妊活ネット」
妊活中の食事や生活習慣、サプリメントの活用方法など、専門的な情報が提供されています。